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青月堂の6ヶ月


〜2〜 小さな魚

 雨が降り続く六月。
雨に濡れる紫陽花が綺麗vなんて言ってる間に、確実に不快度だけは上昇していく。
このままじゃ頭にカビが生えちまう……。
「あの──……」
「あ、いらっしゃいませー」
 赤い傘を手に、今流行の黒いちびリュックを背負った女の子が一人。
この鬱陶しさをブッ飛ばすくらい、かわいい。
「……あの、」
 困ったように佇んでいるものだから、最初俺は何か探しているのかと思った。
「はい、何かご入り用ですか?」
「入り口の張り紙見て、来たんですけど…」
「…え?」
「もうダメですか? バイト」
「…あのバイト? 時給500円の? 本当に?」
 本当に人が来るなんて、夢にも思ってなかった。
『バイト求む』なんて入り口に貼っておけば、少しは暇じゃない(=儲けてる)店
みたいに思えて、客がそこそこ増えるんじゃないかと思っての張り紙だったから。
「あと、できたら住み込みがいいんですけど……」
 住み込みだって?

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