青月堂の6ヶ月
〜4〜 DOLL HOUSE・1
『暑中見舞い申し上げます』
契約先や常連さんから、そう書かれた幾枚もの葉書が舞い込むようになった。
「あづい」
あんまり麦茶を飲み過ぎるとかえってバテるそうだ。
しかし、身体から陽炎が揺らめき立つようなこの暑さで、とっくの昔にバテている。
水分をとりすぎてお腹がぶよぶよになったところで、さほど変わりはないだろう。
「そんなコト言ってるから余計ダメになっちゃうんですよ」
「そーゆー君は暑くないのかね」
「暑いですよ、もちろん」
「…見えないなぁ」
「地が白いですから」
ぱたぱたぱた…とはたきをかけながら言う。
店内を彼女に任せて俺は、カウンターのわきに小さい机を出してノートパソコンに向かっていた。
この琥珀色の木製の机も売り物の一つ。
…ここの売り物は全部姉貴の趣味で揃えたものだ。
だから青月堂には、海外に本社のある契約先が多い。
手作りがウリの小さな会社、例えばマレーシアやタイの。
そういった企業と個人契約的に商品を輸入しているのだ。
「今度、宣伝出すんだ。…俺のホームページ上だけど」