青月堂の6ヶ月
〜6〜 ガラスのラビリンス・1
白いものが空から舞い落ちる冬、12月。
俺は一人、部屋にいた。
ゆうこさんが帰ってこない。…昨日の朝、いつものように出かけたまま。
外はこんなに寒いのに、一体どこにいるんだろう。
何度警察に届けようと思ったことか。
今日は店も開けていない。心配で心配で、店どころではないのだ。
檻の中の熊のように、部屋の中をぐるぐると徘徊していると。
玄関のノブが回る音がした。
「ゆうこさん? 今までどこに…」
「かけ…る…さ……。ごめん…な……さい…」
ひどい熱。顔が真っ赤だ。
「びしょ濡れじゃないか。どうして…」
コートを脱がせ、バスタオルで身体を包む。
「俺のパジャマだけど、さあ、着替えて。熱いココアいれてくるから」
「かけるさん…」
部屋の戸を閉めようとすると、ゆうこさんがつぶやいた。
「え、何?」
「ごめんなさい…、むだん…けっきん……しちゃって…」