二人の足音が響く。夜。月もなく。
ヘッドライトがあたりを浮かび上がらせ、遠ざかってゆく。
ぼんやりと歩道を照らす街灯。
時折街路樹がざわめき。
…初めてだ…。
なんで。なんで……。
でも、ちょっと嬉しいな。
…そしてとっても、どきどきだな。
何気なく、しかし確固とした意志を持って差し出された手を、
そっとにぎる。…にぎりしめる。
人混みをすり抜け。
肩を並べて歩みを進める。
ゆっくりでも急ぐわけでもなく。
歩く二人。世間話を交わしながら。
包み込む空気は冷たく。
駆け抜ける風は鋭く。
二人の足音が響く。夜。星もなく。
たどり着いた分かれ道。
そっと離れる影二つ。
いつものようにさよならを。
想いをこめて、さよならを…。
また明日。
…また明日。
(2003.12.22)